【幾何学的確率】コインを投げて決められた図形の中に収まる確率の出し方

サイコロを投げて偶数の出る確率は?などのように確率の問題は全ての事象が何通りかと、起こる事象が何通りかを調べることで計算できます。

では、次のような問題はどうでしょうか?

問:1辺が4cmの正方形のタイルが隙間なく敷き詰められた床に半径1cmの円形のコインを投げたとき、コインがタイル内に収まる確率を求めよ。

これも確かに『確率』です。

しかし、このような問題だと単純に「~通り」と表すことはできません。

ここで出てくるのが「幾何学」です。

「幾何学」とは「図形(平面・空間)の性質を理解する」分野です。

状況の整理

問:1辺が4cmの正方形のタイルが隙間なく敷き詰められた床に半径1cmの円形のコインを投げたとき、コインがタイル内に収まる確率を求めよ。

この状況を図で確かめてみます。

計算プラン

状況の整理ができたら、計算のプランです。

タイルの枠に収まる・収まらないの状況をどのように数式で表すかを考えます。

計算を簡単にするために条件を付け加えます。

追加条件:タイルの枠とコインがただ1点で接している場合は『収まっている』と判断

タイルの面積とコインが収まる面積がわかれば確率が求まるでしょう。

プラン:(確率)=(タイルの面積)÷(コインがタイルに収まる面積)

確率を面積や長さで求める事を『幾何学的確率』と言います。

図形や曲線など、起こりうる可能性が無限にある事象で有効です。

タイルの枠にコインが触れるか触れないかの判断

コインは半径1cmの円形なので、タイルの枠から1cm離れていたら枠内にあると考えることができます。

これは、コインの中心の位置を考えることで領域を決めることができます。

このように4cmのタイルの場合、枠から1cm以上離れた領域に中心があれば、コインは枠内にあると判断できます。

事象を考える

全事象は、タイルの面積と考える事ができます。下の図で考えると正方形ABCDの面積となります。

起こる事象は、コインの中心がタイル枠から1cm以上離れている領域の面積。

下の図で考えると正方形EFGHの面積となります。

次は実際の計算をしてみます。

タイルが無限に敷き詰められている場合

タイルの両端がなく、無限に敷き詰められていると考えてみましょう。

十分に広い範囲にタイルが敷かれている場合で、コインが部屋の端まで届かない場合と考えてもらってもかまいません。

このときは、タイル1枚で考えることができます。

全事象となるタイルの面積は……『4×4=16』

タイル内にコインが収まる面積は…『2×2=4』

以上より、求める確率は、『4/16』となり、『1/4』が答えとなります。

タイルが4×4マスで敷き詰められている場合

続いて、端を考える場合です。ここでは例として4×4マスのタイルとしましょう。

コインは端を突き抜けることができません。

つまり、コインの中心が存在できる領域は、図の黄色の四角内のみになります。

これが全事象となり、その面積は『14×14』で計算できます。

次にタイル内にコインが存在するためには、上で計算したタイルの中央部「2×2cm」の領域です。

これが、16か所あるので『2×2×16』で計算できます。

これらから計算してみると……

よって、確率は『16/49』。百分率にすると、『32.7%』となります。

かなな先生
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人物イラスト提供:アイキャッチャー様

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